岩手県立職業能力開発に関するアンケート調査 
集計結果(高等学校版)

1.アンケートの概要
  平成10年10月に実施した県内高等学校100校の進路指導担当者へのアンケート調査について、66校からの回答を得た。(回答率66%)

回答
普通高校 38
商業高校 5
工業高校 6
農業高校 3
水産高校 2
定時制高校 4
併設高校 8
総計 66

 

2.集計結果

設問1 高等学校から見た県立の職業能力開発施設のメリットについてお伺いたします。2つ以内で選んでください。

回 答

1.職業人の素養を付与している 43
2.教育機会を付与している 32
3.就職に有利 25
4.あまり感じない 1
5.その他 3
総計 104

設問2 県立の職業能力開発施設への進路指導はどのように勧めておりますか。

回 答

1.積極的に勧めている 18
2.生徒が希望すれば勧めている 44
3.勧めることは消極的である 1
4.どちらとも言えない 1
5.その他 2
総計 66

設問3 これからも県立の職業能力開発施設には社会的使命があると思いますか。

回 答

1.大いにある 31 
2.充実させればある 33
3.あまり期待できない 0
4.その他 2
総計 66

設問4 県立の職業能力開発施設を充実させるにはどのような方法がよいとお考えですか。
(設問3で、「1.大いにある」、「2.充実させればある」と答えた方のみ)

回 答

1.施設設備の充実 22 
2.訓練内容の充実・高度化 37
3.訓練コースの設置 2
4.わからない 0
5.その他 3
総計 64

(設置希望の訓練コース)
・情報システム、環境経営管理 
・経営、ベンチャー 
(その他意見等) ・就職状況による 
・盛岡には短期大学校しかなく、学力レベル 
が要求されるので、それ以下の子供が行くと 
ころがない。地方に行きたがらない. 
・教育機関の使命として出口の確保が不可欠である。県内就職先の安定的確保、定着できる環境整備。 
・学校の位置 
・例えば宮古の自動車科を2〜3年コースにする 

設問5 期待できない理由をお聞かせ下さい。(設問3で「3.あまり期待できない」と答えた回答がないため、なし) 

設問6 県立の職業能力開発施設へのご意見・ご要望などありましたら、お聞かせください。

(普通高校) ・イメージの向上を図る必要がある。どうしても「職業訓練所」のイメージがつきまとう。生徒にも親にも低く見られている(短期大学校でさえも)。進学校のすべり止めに使われている傾向がある。3年制にするとか、文部省管轄にするなどいろいろの方策により、イメージの向上が図られればもっと質の高い生徒が入学するようになると思う. 
・コンピュータのように次々に新しくなる機材は更新していかないと効果的な教育にはならないと思います。 
・父兄と話をしていると、あまり良いイメージを持っていないようです。もっと、メリットをアピールする必要があると感じています。また、短大との差について我々教員の中によく理解していない人が多いような気がします.教員対象の説明会でもやってみたらどうでしょう。 
・本校は大学への進学をその中心に据えております。今のところ、述べる意見等は特にありません。 
・大いに期待しています。自信を持って本校の卒業生を鍛えてください. 
・学校訪問をお願いします。夏休み前がいいです。あらかじめ訪問日時をお知らせ下さい. 
・高等学校の科の多様化には賛成しかねる。高校は普通教育(一般教養、基礎的教科の学習)をベースとし、専門学校あるいは職業能力開発施設等で社会において具体的に必要とされる技術、技能を身につけるという姿が望ましいのでは。そのため、教科内容をより多様化していただきたい. 
・少子化が強まる中で大変だとは思いますが、地場産業との連携と中以上の高度技術の実質的教育が必要と思われます.どうか頑張ってください。 
・生徒にとって高卒で職につくということは能力的に自信不足かと考えます。個人の自信という意味でメリットがあると思います。 
・第一に父母の経済的負担が軽減されていることは魅力です.第二に小人数教育のため指導が行き届いていることが素晴らしいです.第三に就職ではかなり有利なことです。本校生にも今後とも積極的に進めていきたいものと考えます. 
・短期大学校にも自動車システム科の設置を希望します。 
・手に職、技術を持つことは大変価値があると思います.産業技術短大へ進学している生徒、受験しようとする生徒、毎年数名ずつおります。技術の修得だけでなく、人間教育、社会人として必要な知識も併せての教育を期待しています。 
・被服コースが廃止になっていますが、本校の卒業生の中にはこのコースに進みたい生徒が毎年1、2名はいました。また、縫製関係の仕事につく生徒もおりますので、私の意見としては被服コースがあれば良いと考えています.(盛岡地区) 
・産業構造の変化、科学技術の進展の速度が大きく、それに対応することが必要ではないでしょうか。 
資格を取り、岩手県内で就職できるようなことが可能であれば、入学する生徒が出てくると思われます.本校生は県外、地元以外へ行くことを望んでいる者が多いです. 
・施設設備の充実も大切だと思うが、それを使っての訓練内容のより充実と発展する技術に対応する指導がなされていかなければ、今後ますます受験者は減少していくように思います.魅力ある施設となるように、これを機会に今後どうあるべきかを、我々の意見を参考にして検討されますよう期待しています。 
・卒業時の資格として、短大卒あるいは専門学校卒としての資格が社会的に認知されていないような感じを受ける。学ぶ生徒のためには、技術の修得とともに上級学校卒の資格取得も得られるようであれば生徒に対して、積極的に職業能力開発施設への進路を勧められると考える。 
(商業高校)
・貴校へ進学する生徒は将来の進路を見通し入学後どんな技術を習得するかを考えているので大変望ましいと思っている。施設設備も充実していると聞いている. 
(工業高校)
・県内各市あるいはこの半分ほどに、専門の分野をある程度均等に配置する。設備の充実、更新をもっと大胆に行えないものか。 
・工業高校等で学んだ基礎、基本の上に立ち、実社会に即した技能技術の修得に力を入れてください.在校生の日常生活、卒業生の具体的な進路を高校側にお知らせ下さい。専門学校との違いをアピールしてください. 
・生徒の多様化で進路も多様化されつつあります。以前であれば工業生はほとんど工業関連の進路でありました。ここ数年、理容美容、調理師、販売セールスと卒業生を出していますが、工業関係から方向転換して、入学や就職をしても離れる卒業生がいますので、県としても安い費用で、方向転換して行く生徒の再教育できる課程も考えて欲しい。 
・卒業後の就職、卒業生を受け入れる事業所を県の内外ともに、拡大していけるよう着実に実績を作っていってほしい。 
(農業高校)
・卒業後の進路先が充実されれば、今後ますます希望者が増加すると考えられます。最近の高校卒の就職状況を考えればより高い技能、技術が要求されているからです。 
・本校は農業高校である。現状では貴学へ志願しても学力面で合格するのに困難な状況にある。今後、貴学のカリキュラムに対応できるように農業高校生のレベルアップが必要である。 
(水産高校) 
・本県の訓練科は工業関係のみの気がします.水産家庭に関係した、例えば製造栄養関係等の科があればという気もします。 
(定時制高校)
・現在はハイテク全盛時代だが長いスパンで次に来るものへの対応も。 
・これからの職業人の素養の1つに環境経営管理学の必要性を痛感する。商品および製品のリサイクル過程の研究をはじめ、その回収システム等について一層深く追求することにより次世代を意識した企業経営が考えられる.これからの職業教育に環境管理への実証的研究と学際的論証が一層求められ、望ましいビジネス社会が再編成されよう。自然環境を取り戻すための新しいビジネスが求められ、新しい産業が創出される「新産業創出論」を構築するべきである。 
・入学しやすく卒業を難しくして真の技術技能を身につけさせるよう、今以上にすべきだと思います. 
(併設高校)
・生徒は都市部の専門学校へ出ることを望みます.内容、施設、設備の点でも変わらないと思いますが。 
・寮も充実してあれば、生徒たちも気持ち良く自分の力を伸ばす機会に恵まれると思います. 
・私は県立の職業能力開発施設に対する高校側の期待は大きいと思う.設備も優れており、安定度も高く、一般の進学先に比べ評価も高い。一方、印象として官僚的というか、もう少しどうにかならないものかと思う場面もある。推薦入試の不合格の場合等その感が強い。私は水沢と千厩を中心に生徒のお世話を頂いてきましたが、どちらも生徒たちを立派に育てていただいて、心から感謝し頼りにしております。なんと言っても生徒たちが地元に根ざし、21世紀の岩手を支える人士になれるか、その就職先を確保しているかが存在価値を計る鍵となるような気がします。私たちも卒業生を東京・関東へ送って就職率100%と誇った過去の足跡を心から恥じております. 

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